好漢紹介



萬里長江東到海
内中一箇雄夫
面如傅粉體如酥
上山剜虎目
入水拔龍鬚
七晝波心能暗伏
水晶宮偸得明珠
翻江攪海勇身軀
人將張順比
浪裡白跳魚
   てんそんせい  ろうりはくちょう  ちょうじゅん
 天損星 浪裏白跳 張順

 江州の魚問屋。江州小孤山の出身。四、五十里を泳ぎ、七日七晩も潜ることができ、あだ名は浪裏白跳。身の丈六尺五六寸、登場時三十二、三歳。三すじの黒髯、練りぎぬとまがうほどの真っ白な肌。張横の弟。もとは揚子江で兄と二人で闇の船頭をし追い剥ぎをしていた。その後、張順は江州で魚問屋になり、兄の張横は潯陽江で闇商売を続けた。江州には潯陽江の張横・張順、掲陽岡の李俊・李立、掲陽嶺の穆弘・穆春の三覇の好漢たちが縄張っていた。

 ある時、自分の問屋に江州の小役人・李逵が魚をふんだくりにやってくる。これを阻んだ張順は李逵に打ちかかるが、怪力でめった打ちされてしまう。張順は、今度は李逵を水中に引きずり込み、溺れさせてたっぷりと水を飲ませたが、そこで李逵の連れの宋江と戴宗に仲裁される。宋江は、流刑で江州に流れてきていた折であり、潯陽江で兄の張横とも知り合っていた。張順もかねてより宋江の名を聞き慕っており、すぐに義を結び李逵と和解して四人で宴を開いた。

 その後、宋江が江州で反逆の罪に問われ捕らわれたのを聞きつけると、李俊・穆弘・張横らの好漢と共に仲間を集め江州へ攻め入ろうとしていた。折しも宋江は、梁山泊の好漢たちに救い出されたところであり、処刑場から逃げ出して潯陽江で張順等に再会した。梁山泊の好漢と江州の好漢たちは合流し、白竜廟に小聚義した。続く無為軍の戦いでは水中で黄文炳を生け捕りにした。

 入山後は、水軍の頭領を務める。祝家荘戦、高唐州戦、対呼延灼戦、華州戦、対関勝戦、北京戦、東昌府戦に参戦。祝家荘戦では、李俊、張横とともに水路から攻め入るが、祝家荘内からの激しい攻撃に釘付けにされた。その後の一斉攻撃の際は花栄率いる馬歩軍の指揮下に入った。対呼延灼戦では、凌振の火砲を封じる作戦に参加した。華州戦では、李俊と共に宿太尉の船に飛び乗って一行を脅した。盧俊義が梁山泊の計で誘い出されてくると、張順は盧俊義を水中に投げ込んで生け捕りにした。対関勝戦では、他の水軍頭領に促され、突出して関勝に生け捕りにされた張横を救いにでるが、またも関勝に破られ阮小七が生け捕りにされる。

 北京戦のさなか宋江が背中の腫れものの病に倒れると、張順は建康府の名医安道全に助けを求めるべく単身江南へと赴いた。途中、揚子江の追い剥ぎの張旺に襲われるが水中に難を逃れ、居酒屋の王定六に助けられる。建康府で安道全を迎えようとするが、安道全のお気に入りの娼妓・李巧奴に邪魔をされそうになる。宋江の命が明日をも知れない中、怒った張順は、李巧奴の一家を惨殺し、壁に「殺人者安道全也」と書きつけた。安道全はなすすべなく張順と共に梁山へ上ることとなる。北京戦終盤では、燕青と共に逃げる李固と賈氏を捕まえた。東昌府の戦いでは、水上で追い落とされてくる張清を待ち受けた。

 梁山泊での席次は第30位、四寨の水軍の頭領のひとり。


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