好漢紹介
七尺身軀三角眼
黄髯赤髮紅睛
潯陽江上有聲名
衝波如水怪
躍浪似飛鯨
惡水狂風都不懼
蛟龍見處魂驚
天差列宿害生靈
小孤山下住
船火號張橫てんけいせい せんかじ ちょうおう
天竟星 船火児 張横
江州付近潯陽江の船頭。江州小孤山の出身。あだ名は船火児。身の丈七尺、三角の眼に黄い髯、赤い髪、紅のひとみ。自らのことを「狗臉(犬面)の張旦那」と言っている。張順の兄。もとは揚子江で弟と二人で闇の船頭をし追い剥ぎをしていた。その後、弟の張順は江州で魚問屋になり、張横は潯陽江で闇商売を続けた。江州には潯陽江の張横・張順、掲陽岡の李俊・李立、掲陽嶺の穆弘・穆春の三覇の好漢たちが縄張っていた。
ある時、潯陽江で舟渡をしていると、流罪人と護送役人の一行が急いで乗り込んでくる。江の真ん中まで漕いでいくと、張横はいつものように追い剥ぎを始め、「板刀麺(斬り捨てる)がいいか、それともわんたん(身ぐるみ剥いで江に突き落とす)か」といって一行を脅す。あと少しのところで知り合いの李俊が船に乗って駆けつけ、流罪人が山東の宋江であることを知らせる。かねてより宋江の名を聞き慕っていた張横は驚いて平伏して宋江をもてなし義を結んだ。江州への旅を続ける宋江に、張横は江州にいる弟・張順に宛てた紹介の手紙を用意した。
その後、宋江が江州で反逆の罪に問われ捕らわれたのを聞きつけると、李俊・穆弘・張順らの好漢と共に仲間を集め江州へ攻め入ろうとしていた。折しも宋江は、梁山泊の好漢たちに救い出されたところであり、処刑場から逃げ出して潯陽江で張横等に再会した。梁山泊の好漢と江州の好漢たちは合流し、白竜廟に小聚義した。張横はこの後、無為軍の戦いを経て梁山泊へ入山した。
入山後は、水軍の頭領を務める。祝家荘戦、高唐州戦、対呼延灼戦、曽頭市戦、対関勝戦、東昌府戦に参戦。祝家荘戦では、李俊、張順とともに水路から攻め入るが、祝家荘内からの激しい攻撃に釘付けにされた。その後の一斉攻撃の際は花栄率いる馬歩軍の指揮下に入った。祝家荘戦後は李俊、馬麟、白勝らとともに都頭に扮して李応を連行しに行った。対呼延灼戦では、李俊とともに凌振の陣に潜入して火砲を封じて凌振をおびき出した。対関勝戦では、突出して関勝の陣に攻め入るが生け捕りにされてしまう。東昌府の戦いでは、水上で追い落とされてくる張清を待ち受けた。
梁山泊での席次は第28位、四寨の水軍の頭領のひとり。