好漢紹介
曾向京師為制使
花石綱累受艱難
虹霓氣逼牛斗寒
刀能安宇宙
弓可定塵寰
虎體狼腰猿臂健
胯龍駒穩坐雕鞍
英雄聲價滿梁山
人稱青面獸
楊志是軍班てんあんせい せいめんじゅう ようし
天暗星 青面獣 楊志
もと殿司制使。関西の出身。顔に大きな青あざがあり、あだ名は青面獣。身の丈七尺五・六寸、あごのあたりにはまばらな赤ひげ。五侯楊令公(楊継業)の孫で、武家の名門。武挙にも通っている腕前。太湖から花石綱の運搬を命じられたが、黄河の氾濫で船が転覆し、任務に失敗し逃れて身を隠していた。
逃亡中だった楊志は、天下に恩赦が下されたので再登用されることを願って東京への旅を続ける途中、梁山泊の付近で林冲と遭遇する。折しも林冲は、梁山泊への投命の証として人の首を取ってくるようにと首領の王倫に命じられていた。楊志は林冲と戦いとなり、朴刀を振るって一進一退、三、四十合も斬り合ったところで王倫に仲裁される。王倫は、楊志を梁山泊の山寨に招いてもてなし、林冲と牽制させる目的で楊志を梁山泊へ引き留めようとするが、楊志の意志は硬く、梁山泊を離れて東京へ向かった。
東京では太尉の高俅に面会するが、花石綱運送失敗と逃亡の罪を厳しく問われ、再登用されることはかなわず追い出されてしまう。役人たちへの賄賂で金を使い果たしていた楊志は、やむなく伝家の宝刀を売りに街に出る。刀を売っているところを、ごろつきの牛二にからまれ、口論となっているうちにカッとなって、牛二を斬り殺してしまう。牛二はもともと街でも憎まれていたことと、楊志が証人と共に自首して出たことで、死罪は免れ、労役を課せられ北京に流罪となった。
流刑先の北京では、留守司の梁中書に目をかけられる。なんとか楊志を取り立てたいと考えた梁中書は、武芸の御前試合を催し楊志を戦わせて手並みを見ることにした。楊志は、まずは副牌軍の周謹を軽くあしらい、続いて正牌軍の索超とは五十合あまりにわたる一騎打ちを繰り広げ、梁中書以下、兵馬都監の李成・聞達らを感嘆させた。両名が負傷することを恐れた梁中書は試合を中断させ、楊志と索超を提轄使に取り立てた。
梁中書の信頼を得た楊志は、梁中書から東京の太師・蔡京への生辰綱(誕生日の贈り物)十万貫の輸送警護を任じられる。楊志は、老謝都管や兵卒たちを率いて任に当たるが、任務を成功させようと意気込むあまり、謝都管たちに厳しく当たる。疲れ果てた謝都管ら一行と共に黄泥岡で休んでいるところ、酒屋が持ってきた痺れ薬入りの酒を皆で飲んでしまい、生辰綱を奪われてしまう。犯行を行った一味は、鄆城東渓村の晁蓋らであった。またも任務を失敗してしまった楊志は、自ら命を絶つことも考えたが、再起を図って逃亡することにする。
逃亡先の青州二竜山付近で、同じく東京から逃亡中の魯智深と出会う。魯智深は、二竜山の鄧竜に身を寄せようと考えていたが、関門を閉められ追い出されたところであった。同郷であった魯智深と楊志は、意気投合し力を合わせて二竜山強奪を図る。麓の居酒屋・曹正の協力で宝珠寺に侵入した魯智深と楊志は、あっという間に鄧竜の首を取り、そのまま二竜山を制圧した。その後、武松・張青・孫二娘・曹正・施恩が仲間に加わり勢力は大きくなっていった。
しばらく後、梁山泊の討伐に失敗した官軍の呼延灼が青州へ落ち延びてくる。呼延灼は汚名挽回のため青州の兵馬を借り受け、青州内の三山(二竜山・桃花山・白虎山)の山賊の討伐に討って出る。楊志は、桃花山の李忠・周通を救援するために山を下り、自ら呼延灼を相手取って戦うが決着はつかなかった。三山の頭領たちは、つてを頼って梁山泊へ助けを求め、力を合わせて呼延灼を生け捕り青州城を破った。こうして三山の頭領たちは揃って梁山泊へ身を投じ、楊志も晴れて梁山泊の一員となった。
入山後は騎兵の頭領を務める。華州戦、北京戦、凌州戦、曽頭市戦、東昌府戦に参戦。華州戦では林冲と共に華州城を攻めた。北京戦では秦明・欧鵬・燕順とともに第四隊を率いて李成の軍を苦しめた。凌州戦では、林冲・孫立・黄信と共に援軍として出陣し関勝を救援した。曽頭市戦では、史進、楊春、陳達とともに北の大寨を攻めた。東昌府戦では、負傷した劉唐を救い出そうと飛び出していくが、張清の石つぶてを冑に当てられ肝を冷やして引き返した。
梁山泊での席次は第17位、騎兵軍の小彪将兼斥候八員のひとり。